2009年10月12日 (月)

cyprian Katsaris演奏会

 across福岡にcyprian Katsaris演奏会を聴きに行く。圧巻はアンコールで披露されたChopinのノクターン、間の取り方が素晴らしい、ピアノを弾くというよりまるでピアノを指揮しているよう。信じられないことだが鍵盤から離れた手のひらの動きで音が変わるのだ。テンポを自在にあやつっているのも全く厭味がない。
 7〜8割入った観客も、いつもはよく目にするミーハーな人達ではなく、皆演奏を聴きに来ている感じで、こちらも演奏に集中して聴くことができた。ただ、フォルテになると舞台下手から銀紙を震わせるような共鳴音が聴こえて気になったが、これは妻に言わせると、どうも奏者の爪が鍵盤に当たる音であったらしい。理由は私にはわからない。
 ピアノはスタインウェイではなくなんとYAMAHAのコンサートグランドを使用。音にきらびやかさは無いが落ち着いてしっかりした音だ。

2009年8月25日 (火)

ープロカウンセラーの聞く技術ー東山紘久著:創元社

 目からうろこが何枚も落ちた。この本は平成16年1月に、学生相手の就職カウンセリングの仕事に就いて必要を感じて購入したのだが、直後に他部所への異動があってそのままにしていたもの。単なるハウツーものかと思っていたがとんでもない、頭をガツンとハンマーで殴られたような衝撃を受けた。もっと早く読んでおけば人生が変わったかもしれない、とまで思わせるような本である。確かに他人との言葉による意思疎通は人間の人間たる最も基本的な行為だから、「聞くこと・話すこと」のやり方次第で人間関係が良くも悪くもなってしまう。
 良い人間関係をもつためには「聞き上手」になること。言われてみればこれまではひとりよがりで他者・他人との関係をそれほど重要だとは考えていなかった。良かれと思って言ったことが全然方向違いに受け取られたり、つい相手が話し終わる前にこちらの話しを始めてしまったりしてこれまで何度失敗したことか。また、理屈ばかりで感情のことを考慮して来なかった。自己中そのものだ。今までどれだけ周囲の人達に迷惑をかけて来たか、考えただけでぞっとする。
 著者は臨床心理士であり京都大学大学院教授である。
 <「相手の話は相手のこと」が、温かい気持ちでできるためには、相手の心に対する理解が必要です。家族や友だちなど自分にとって大切な人を失わないためには、つねに相手を理解しようと心がけることが第一なのです。自分の立場を主張するのでなく、相手の気持ちになって、しかも相手と自分を混同しないこと、・・・>
※<>内は本文からの引用。

2009年8月23日 (日)

ー司法改革の時代 検事総長が語る検察40年ー但木敬一著:中公新書ラクレ

 善悪は別にして、日本の司法改革もまた外圧によってもたらされたのだが、日本国民(民衆)は優秀だ(レベルが高い)からこの改革にも問題なく対応できる。大雑把にこのような主旨の本である。外圧がきっかけではあるが、従来の日本の司法制度は国民参加型ではなかったので、今回の改革により司法の世界にも民意を反映させることが出来るようになったということである。
 核心は第四章である。外圧は82年3月の日米貿易小委員会での外国人弁護士受け入れ問題にはじまり、87年4月に法曹基本問題懇談会設置、90年5月日弁連「司法改革に関する宣言」を発表、90年6月日米構造協議最終報告、94年6月経済同友会「現代社会の病理と処方」で法曹人口の大幅増員、国民の司法参加、審議会設置など要請、97年11月自民党司法制度特別調査会が「司法制度改革の基本的な方針」を発表、97年12月行政改革会議最終報告で「行政改革のための司法改革が必要」と指摘。99年7月司法制度改革審議会設置、00年6月米国政府が同審議会に対し閉鎖的な法的サービスの市場開放を求める意見を表明。01年6月同審議会は最終意見書を提出した。その内容は、第一、法科大学院(ロースクール)を中核とする法曹人口の増員、第二、全国50カ所の法テラス設置、コールセンターの設置、第三、裁判員制度による市民の司法参加である。
 外圧つまり内政干渉であって、内圧つまり自発的な改革ではないと当事者(著者は元検事総長)が明言しているようだが、外圧が無かったなら改革も無かったのか。また、裁判員制度の対象となるのは一部の刑事事件であり、更なる改革がいずれ必要となる時期が来るように思う。

2009年8月17日 (月)

ー沈まぬ太陽ー山崎豊子著:新潮文庫

 この著者の作品を読むのは今回が初めてである。仲代達矢が中国残留孤児の父親役で出ていた「大地の子」はNHKでドラマ化されたものを見てとても感動した。「沈まぬ太陽」は事実をもとにしたものとのことでこの夏休みに全5冊を一気に読了した。実際著者はさまざまな取材に基づき小説にアレンジしたと各巻の冒頭で繰り返し述べている。テーマは昭和60年8月12日の日航機御巣鷹山墜落事故。これに日本航空(記述は国民航空)の人事、組織、業務、さらに政界、財界の動きをからませて展開する。主役は元労働組合委員長恩地元(おんちはじめ)。もちろん仮名ではあろうが実在の人物らしく、この本を著したきっかけはこの人物のことを小耳にはさんで大いに興味をかき立てられたのであろう。読み進めるほどに著者のエネルギーには圧倒される。関係者からの聞き取り、事故現場取材、ボーイング社への出張取材、パキスタン、イラン、ケニア、さらにニューヨークへの調査取材、そしてさまざまな文献・資料の読破など、一体何れ程の時間をかけているのだろうか。御巣鷹山ひとつ取っても、名前は有名だがそれほどの山という印象はないが標高1,639mの、久住ほどもある山であった。今では林道も通り手軽に登れるようになったそうだが。
 昭和60年といえば個人的には福岡へ移って2年経ったころでこの年9月に次男が誕生した、当時は公団住宅住まい。520人が犠牲になった大変な事故ではあるが24年前のことで記憶はうすれてしまっていた。ちょうどこの文庫を読み始めた矢先テレビで慰霊登山とかのニュースが流れていたが何かの巡り合わせか。
 読後印象に残った言葉を上げておく。河口博次 遺書 ボイスレコーダー これはだめかもわからんね おすたか会 SF券 CF券 特別販売促進費 10年先物予約 THE MOST DANGEROUS ANIMAL IN THE WORLD 
 この秋には渡辺謙主演で映画が公開されるとのことだが、スポットライトをどこに当てているのか今から楽しみである。次は横山秀夫の「クライマーズ・ハイ」を読んでみよう。

2009年5月17日 (日)

ーホルン練習その後ー

 だんだん音が出るようになって、室内では近所迷惑を考えて練習できなくなった。中低音なら小さな音で吹けなくもないがだんだん高い音へ音域を広げるにつれてどうしても音が遠くまで届いてしまうようで怖い。それで今は近くの公園や人気のない林の中で音を出している、平日はだいたい毎日夕食後1時間ほど、土日は夕方2時間程度。家人はオヤジ狩りにあうなどと心配しているがいまのところ身の危険を感じることはない。たまにジョギングや散歩をするひとが通るばかりである。
 屋外で吹いていると響きがほとんど無いので楽器の鳴りだけが勝負で、カラオケで言えばエコーをまったくかけないのと同じ、そろそろ響きの良い場所で吹いてみたいという欲求が高まってきて、1日でも早くどこかの市民オケに入りたいと思っている。が、何せ現状ではまだまだ使い物にならない、ホルンを再開してまだ7ヶ月、あせってもしょうがないがあと1年このまま続けられたら何とかなるか。
 楽器は今はヤマハのフルダブルを使用している、去年吹き始めは全く鳴らなかったこの楽器も中音域(下第2線から上第2間の1オクターブと少し)では鳴るようになった。もちろん楽器のせいよりくちびる(アンブシャー)が出来て来たことのほうが大きい。これからの課題は、音域を広げること、特に高音域に音を広げていくこととタンギングやスラー、それに基礎体力づくりである。

2009年5月 3日 (日)

メディアン・スペース法

 ホルン練習を再開してほぼ半年経過。そこそこ音は出せるようになったが、音が抜けない。この壁を何とか超えないとと悩んでいたのだが、「すべての管楽器奏者へ」根本俊男著を読み返して、これだ!、と思ったのがメディアンスペース法。上顎門歯の間に1/3ミリの隙間を2/3ほど入れるというもの。早速道具をネットで検索してみるとタミヤが出している薄刃クラフトのこ、幅0.25ミリというものがあった。近くの模型屋さんで手に入れて意外と簡単に加工することができた。吹いてみてわかったことだが、私の場合上顎部はいわゆる総入れ歯、下顎は前歯がまだ残っている状態で、今までは上顎部から空気が全く抜けなかったため下唇だけを使っていたようで、上唇が振動するのを久しぶりに実感できた。自分の目指していたアンブシャーとは似ても似つかない吹き方をしていたようだ。アンブシャーとは簡単にいえば口とマウスピースとのつなげかたのこと。
 これで何度か吹いてみたが、今はもう少し隙間を広げてやっている。0.25ミリでは少々狭いようだ。

2009年4月11日 (土)

ウイーンプレミアムコンサート

昨晩アクロス福岡で行われたBプログラム。ウイーンフィルのメンバーを中心にした2管編成の小オケ、指揮者なし。プログラムはモーツアルトをアレンジした前奏曲?、ハイドン94番驚愕、ウエーバーのクラリネット協奏曲2番、メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲、ベートーベン1番。
 私のオーケストラ観をみごとに覆されてしまった。管楽器も弦楽器も渾然一体、ひとつの音となって聴こえてくるのである。各楽器はその構成要素であり全体がひとつの楽器となって響いている。本物に触れてはじめてなるほどと思う。これまではとにかくホルンをはじめ各楽器の音が聴こえて当たり前、聴き分けることが出来ること、間違い探しが出来ることが生演奏の楽しみなどと思っていた。互いに聴きあってひとつの音を作り出すアンサンブルの大切さは理解していたつもりだが・・・ただ見方によっては、今回の演奏を今までと同じ聴き方をするとフラストレーションがたまる、もっと聴かせて欲しいもっと鳴らせて欲しいと思うが、オーケストラとはそんなものではなかったのである。(H21/4/8)

2009年1月 5日 (月)

-今朝の日経を読んで-

 今朝の日経を読んで感じたこと。まず客員コラムニスト田勢康弘氏のコラム「核心:「危機」に考えるべきことは-「日本流」自信持って発信を」。<われわれは・・・自分の身は自分で守るしかない、国も企業も頼りにならない>ので<山を登ることばかり考えるのではなく、山を下りる、すなわち下山の哲学を国家としても持たなければならない>との当たり前のはなし。ただし、問題提起を”われわれ”で始め、結論は”国家”では何か辻褄が合わない。われわれが国家を動かす?評論家ってそんな視点でコラムを書くのだろうか。危機がやって来る前からこう言っていたのならすごいと思うし、われわれ(あるいは国家)はそれなりの準備が出来たかもしれない。
 今回の原因についてはフランシス・フクヤマの言葉を引用し、<アメリカの・・・減税と規制緩和と小さな政府が成長の原動力になるという考え方>が結果的に<金融業界の監督を怠り、社会に多大な打撃を与えるのを放置した>からである、とこれまた目新しさはない。<われわれはいまから日本らしい文化に立脚した考え方を国家再生の基礎にして、世界に発信していかなければならない。>さらに<一神教が激突する世界にあって日本ほど多神教的寛容さのある社会はない>と言うがこれも昔から繰り返し言われて来たことである。
 次に同じく客員コラムニスト西岡幸一氏の「経営の視点:危機下の戦略 どう描くか-優先劣後の事業選択 果断に」。<まず身をかがめて傍観しているだけでは経営ではない。瞬く間に需要の潮位が引き、思考停止している間に喫水線の浅い船も深い船も残らず座礁しかねない。><世界不況の先を見込むと、再び満ち潮で船は全部浮く、とは期待しにくい。強い部門はもっと強くし、弱い部門は・・・ふるいにかける。赤か黒か白か、きっちりタグを付けなくてはなるまい。>ということだが、いわゆる”選択と集中”は当然やって来ているはず、いまどきそんな生温い経営をして生き延びて来た企業が万に一つあろうか。
 ほかにもゼミナールややさしい経済学のシリーズものが今日から始まっている、ぜひご一読を。

2008年12月31日 (水)

ー年の締めくくりにー

 オバマに始まり派遣切りで終わろうとしている1年だったが、来年はどんな年になるのだろう。こちらはほぼ人生もたそがれ時って感じで今更じたばたしようも無いのだが、30から40代の若い人達はますます大変なことになりそうである。
 問題先送りの責任はどの辺りにあるのか、少なくとも大戦後の日本は将来世代からの借金で成り立っていた。年金制度然り、終身雇用制度然り。そのほころびが一気に吹き出したようだ。後世の歴史学者は日本の盛衰についてどう見るのか。ローマ人のなんとかっていう大著がある、勿論ローマ帝国に比べようも無いけれど長い眼で見れば右肩下がりであることに間違いはないと思う。そのスピートがココへ来てぐっとアップする。
 オバマを理解しようなどと大それた考えからではないが、オバマ演説集(朝日出版社)を聞いてみた。悲しいかな和英対訳付きで部分的に理解出来たところによると、総論では大変素晴らしい演説でアメリカ国民が熱狂的支持をした訳が良くわかる。しかし各論では果たして米国議会や官僚組織を動かしうるのか、心配である。何せアメリカが立ち直ってくれなければどこがその代わりを果たせるのか。

2008年11月25日 (火)

ーホルンの練習方法ー

 マンション住まいでは実際に音出し出来るのは土日祭日、平日はまず無理である。若い頃は仕事帰りにヤマハの練習室を借りて練習したこともあった。幸い現在の住処はすぐ近くに埋め立て地があって、暖かい時期なら夜屋外でひと目(ひと耳)を気にせず練習出来るかもしれないが、まだ10月に再開したばかりで、しかも今は冬。いまのところ、時間にして1時間ほどマウスピースだけを使った音出しで我慢している。サイレントホルンも有ることは有るがミュートがかかった感じの音になって、却って音が遠くまで通ってしまいそうだった。だったと言うのは、過去に使ってみた時の印象で、今回はそこまで至っていない。例の入歯で練習を再開してひと月、なんとか下のCから上のE♭(真ん中のCの上の)まで音が出るようになった。まだまだ音が素直には出てくれないし、音揺れもひどいものだ。
 楽器はヤマハのフルダブルとハンスホイヤーのB♭シングル。ハンスホイヤーは学生時代にネロ楽器の勧めで購入。17万。ノーラッカー仕上げで買って1週間くらいで変色を始め、すぐ真っ赤になった。大学の後輩に赤いホルンと呼ばれていた。音はいい。ヤマハは30代に値段につられて(特価品)購入、ラッカー仕上げで見た目は新品。全然吹き込んでいない、全く鳴らない。

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